年が明け、復興特別所得税についての話題が
マスコミでもとりあげられるようになりました。
増税のなかには、広い範囲で影響されるものでも
復興特別所得税のように皆さんにあまり知られることなく
増税されているもの、いわゆる隠れ増税なるものもあります。
今日は、そんな隠れ増税のひとつをご紹介します。
少し前になりますが、平成24年4月1日以後に取得する減価償却資産
の定率法の限度額が「250%定率法」から「200%定率法」に引き下げられました。
減価償却とは、
高額な設備を購入した際に、その購入費用を一度に費用として計上せず、
効果が及ぶ期間(耐用年数)にわたって一定の割合(償却率)で
費用を配分する方法をいいます。
この処理によって生まれた費用を減価償却費といい、
税法では1年に費用に(償却)できる限度額が決められています。
今回改正があったのはこの計算方法のうち「定率法」と呼ばれるものです。
「200%定率法」とは、定率法の償却率を定額法の償却率の 200% (2.0倍)に
設定して計算する方法です。
この定額法の償却率の 250%(2.5倍)が200%(2.0倍)になったということです。
例えば、1,000,000円の資産を購入した場合、
初年度では費用にできる限度額は下記のように変わります。
(耐用年数を10年と仮定)
① 改正前:250%定率法
250,000円
② 改定後:200%定率法
200,000円
一年で費用にできる金額が減りますので、償却のスピードが遅くなることになります。
償却のスピードが遅くなる=経費にできる限度額が少なくなる。
利益が増える=増税 というロジックです。
減価償却資産って購入するときには色々と考えますが、
経費になる「償却の金額」を把握されている方は多くないかもしれません。
なので、隠れ増税になってしまっているようです。
注目度は低い経費ですが、
平成24年4月以降も250%定率法のままで計算すると、
税務上の償却限度を上回り、過大に減価償却費を計上することになりますので
ご注意を!!
ただし、一定の条件を満たすと改正前の250%定率法で
計算することができる場合もありますので、しっかり有利判定をして
可能なものは適用してくださいね。
減価償却費の改正の詳細については、国税庁ホームページ(下記URL)をご参照ください。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hojin/kaisei_gaiyo2011/pdf/1112kaisei_faq.pdf