中小企業が抱える経営課題のひとつに人手不足の問題があります。
少子高齢化が加速し、日本の総人口が減少局面にある中、企業の生産活動を中心と
なって支える15歳から64歳の人口である生産年齢人口も減少の一途をたどっており、
中小企業が抱える人手不足の問題はより深刻化しています。
そこで、中小企業の人手不足の問題を解決するためになくてはならないと言われて
いるのが、高齢者の活用です。
元気で就労意欲があり、豊かな経験と知識をもった高齢者をどのように活用できる
かが、中小企業の成長力確保のカギを握っていると言われています。
一方で、中小企業には高齢者の労働災害発生リスクの増大という側面があります。
厚生労働省が公表している資料※によると、雇用者全体に占める60歳以上の
高齢者の割合は18.7%と年々増加しており、さらに、労働災害による死傷者数に
占める60歳以上の高齢者の割合も29.3%と年々増加しています。
※厚生労働省「令和5年 高年齢労働者の労働災害発生状況」
また、60歳以上の男女別の労働災害発生率を30代と比較すると、男性は2倍、
女性は4倍というデータもあります。
これらリスクを軽減するために、中小企業には高年齢労働者の労働災害防止策が
求められております。
具体的には、災害防止対策として、段差解消、滑り防止、作業の身体的な負担を
低減するための設備・装備の導入、災害予防対策として、身体機能維持改善のための
専門家等による身体機能チェックや運動指導等が挙げられます。
これらの取組みは、いずれも費用がかかるものであり、中小企業にとっては大きな
負担増となる場合があります。
そこで、国はこれらの取組み費用の一部を補助する「エイジフレンドリー補助金」を
準備して、中小企業の積極的な取組みを後押ししています。
取組みの内容に応じた複数のコースが準備されており、費用の1/2または
3/4の割合で、30万円から100万円を上限に補助金を受け取ることが
できる制度で、申請受付期間は令6年10月31日までとなっております。
エイジフレンドリー補助金
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09940.html
高齢者が活躍できる労働環境を整備し、高齢者の意欲と能力を積極的に活用
することで、中小企業の抱える人手不足という経営課題を解決し、企業の
更なる成長へとつなげていただきたいと思います。
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