早いもので、今年ももう10月となりました。
税務のカレンダーでは、12月に年末調整を経まして、
年を越えると確定申告の呼声を聴きます。
確定申告時期が近づくにつれ、
お客さまが様々なご自身の収入についてご相談に来られます。
事業の収入や不動産の賃貸収入、給与の収入、
株や土地の譲渡収入、年金の収入・・・
それらの収入について、
所得税はどのような仕組みで計算をするのでしょうか。
まず、収入を発生原因によって10種類に分類し、
その分類に応じた計算方法によって、所得を計算します。
その後、合算して税金を計算する所得や
単独で税金を計算する所得もあります。
ではなぜ、所得の種類によって、税金の計算方法が違うのでしょうか。
それは発生した原因により、税金を負担する能力(担税力)が違うからです。
一例としては、退職金や保険金のような収入については、
継続して入ってくる収入ではなく、一時的な所得であるため、
所得を1/2にすることによって軽課措置を図っています。
しかし、事業や給与、不動産の賃貸など経常的な収入については
担税力があると考え、そのような軽課措置の規定はありません。
そのほか、所得税には他の税法の計算にはないような独特の規定があります。
例えば、医療費控除などの所得控除が14種類も設けられています。
「所得控除」とは、生活費である支出を
税金の計算上において控除することができるのです。
このように、個々の事情を勘案して税金を計算するところから、
所得税は「人情の税法である」と言われることがあります。
所得税の税金を計算する仕組みについては、
まだまだ多種多様な規定があり、その規定には存在する理由があります。
秋の夜長に、所得税の仕組みを通して、
所得税法に触れてみるのもいかがでしょうか。