消費税が5%から8%となり、早くも2ヶ月が過ぎました。
増税前の3月の駆け込み需要から一息、さらなる売上アップのため、
新たな戦略・戦術に臨まれている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
近年、消費税法の改正はめまぐるしく
上記税率の改正をはじめ、その他にも様々な改正が行われています。
その改正の中の一つに、「簡易課税制度のみなし仕入率の見直し」があります。
簡易課税制度とは、事前に届出が必要となりますが
売上高から計算された消費税額を基に納付税額を計算する方法です。
例えば売上高の消費税額をAとすると、以下の算式により納付税額を計算します。
A-A×みなし仕入率=納付税額
みなし仕入率は業種・取引実態により90%~50%の間で
10%刻みに定められています。
今回の改正では、平成27年4月1日以降に開始する課税期間からは
金融・保険業のみなし仕入率が60%から50%に、
不動産業のみなし仕入率が50%から40%になり、
これらの業種において、簡易課税により消費税額を計算する場合には
実質的に増税となります。
ただし、ここで重要な経過措置が設けられています。
「平成26年9月30日までに簡易課税選択届出書を提出した事業者は、
簡易課税制度の適用開始課税期間の初日から2年間は、改正前のみなし仕入率を適用する」
すなわち、簡易課税制度の適用を受けることをやめることができない期間は
「改正前の仕入率を適用することができる」というものです。
他にも、簡易課税制度には注意点が多数あります。
今回のような改正の経過措置についても、届出のタイミングによって
納付税額が変わることになりますので、
簡易課税制度を検討されている方はご注意くださいね。