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副業収入の所得区分について② ~大阪市 本町の税理士通信~

 2022年8月30日付の当ブログ、「副業収入の所得区分について」
https://www.yutaka-tax.com/news/article/719)に記載しております、
副業収入の所得区分に関するパブリックコメントを受け、10月7日に国税庁から
通達改正が発表されました。

 当改正は令和4年分の所得税(令和5年3月15日期限の確定申告)から適用されますが、
その中で大きく軌道修正されたものが、収入300万円以下の場合の取扱いです。

 素案の段階では、副業収入が300万円以下の場合、原則、雑所得として取り扱い、
赤字でも給与等との損益通算をさせない方向でパブリックコメントを求めていました。

 これに対する反発は予想以上に大きかった様子で、たとえ副業による収入が
300万円以下であっても、社会通念上事業と称するに至る程度の規模であると
認められる場合において、取引を記録した帳簿書類の保存があるときは、
事業所得として取り扱うこととされました。

 注意点としましては、記帳・帳簿書類の保存があった場合であっても、
社会通念上、事業的規模であると認められない場合には雑所得とされる点です。

 同時に発表された本通達の解説において、
その所得に係る取引につき記帳・帳簿書類の保存がある場合には、
一般的に、営利性、継続性、企画遂行性を有し、社会通念での判定において、
事業所得に区分される場合が多いと考えられます。

しかし、記帳・帳簿書類の保存をしている場合であっても、
①その所得の収入金額が僅少と認められる場合
②その所得を得る活動に営利性が認められない場合
には、事業と認められるかどうかを個別に判断することを要するとされています。

 上記①については、例えば、その所得の収入金額が、例年(概ね3年程度の期間)
300 万円以下で主たる収入に対する割合が10%未満の場合は、
「僅少と認められる場合」に該当すると考えられる、とされています。
 また、②については、その所得が例年赤字で、かつ、
赤字を解消するための取組を実施していない(収入を増加させる、
あるいは所得を黒字にするための営業活動等を実施していない)場合は、
「営利性が認められない場合」に該当すると考えられる、とされています。

 今回の改正通達は、「副業」で「赤字」を出し続けて、毎年給与所得と損益通算して
「節税」する、貸家でも広まっているスキームにメスを入れようとしている改正となります。
純粋に副業をされておられる方にはトバッチリかもしれませんが、記帳・帳簿書類の保存が
より重要になったことが示されましたので、正しく記帳し、帳簿保存等されることを
おすすめ致します。

<参考URL>
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/kaisei/221007/index.htm
「所得税基本通達の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)


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