今回のテーマは「不動産賃貸業の水道光熱費の請求」について
お話をしたいと思います。
不動産賃貸業を営まれている場合、テナントが使用した水道光熱費は
電力会社等には不動産賃貸業者(オーナー)が一括で支払い、
各テナント(事業者)から賃料とは別に区分ごとのメーター検針結果で
請求することが一般的です。
その際、テナントへの請求方法をどのようにしているかによって
会計の処理が変わってきます。
例えば
1)支払額と請求額が同額の場合
電力会社等へ不動産賃貸業者が1,000円支払い
テナント(事業者)へ1,000円の請求をした際は
不動産賃貸業者が預かっているに過ぎないため「預り金」として計上し
消費税の処理上は、対象外とすることが認められます。
2)支払額と請求額が違う場合
電力会社等へ不動産賃貸業者が1,000円支払い
テナント(事業者)へ手数料などを含み1,500円の請求や
毎月定額請求をした際は、賃料とは別に受領している
水道光熱費等の金額は「売上」として計上し、
消費税の処理上は、課税売上の扱いになります。(以下、通達参照)
【資産の貸付けに伴う共益費】消費税法基本通達(10-1-14)
建物等の資産の貸付けに際し賃貸人がその賃借人から収受する
電気、ガス、水道料等の実費に相当するいわゆる共益費は、
建物等の資産の貸付けに係る対価に含まれる。
さらに、2)の支払額と請求額が違うケースで、
不動産賃貸業者が簡易課税制度の適用を受けている場合は、
その水道光熱費等の売上の事業区分について注意が必要です。
不動産賃貸そのものにかかる売上の事業区分は第六種事業扱いとなりますが、
この水道光熱費の受領については他の事業者から購入し、
商品の性質又は形状を変更していないものをテナント(事業者)へ
販売している事から事業区分は第一種事業に該当すると考えられます。
なかなか判断の難しい事例ですが、
事業区分を判断する際は、売上の性質から、どの事業区分になるのか
慎重に検討する必要がありますので、ご注意ください。
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